① 老人性色素斑

一般的に「シミ」と呼ばれるもの。長年の紫外線による日焼けや肌への摩擦などのダメージが蓄積されたことで発生します。加齢とともに発生しやすく、症状が進行すると「脂漏性角化症」という老人性イボになることも。

紫外線が当たりやすい頬骨や、UVケアがおろそかになりやすいフェイスラインやこめかみなどにできやすいとされます。

② 炎症後色素沈着

肌荒れやニキビ、ヤケドやケガなどの炎症の影響で色素沈着し、発生するシミ。顔のどの部位にもできやすいとされます。

老人性色素斑と同じ部位にできることもあるため、見分けるのが難しい場合もあります。

③ そばかす（雀卵斑、じゃくらんはん）

主に遺伝的要因で発生するシミ。幼少期から発生しやすく、先天的な場合は大人になると薄くなりますが、後天的な場合は大人になってもほとんど消えない特徴があります。また、老人性色素斑と同じく、紫外線や刺激によって濃くなることも。

鼻を中心にほぼ左右対称に広がり、頬やまぶた、額などの広範囲に点在するケースもあります。

④ 肝斑（かんぱん）

両頬に左右対称に発生するシミ。主に女性ホルモンの乱れによってできやすいため、妊娠中やピル服用中、30代後半から50代の更年期前後の女性に発生しやすいとされます。老人性色素斑と同じく、紫外線や刺激によって濃くなることも。

以上4種類のシミの中で、スキンケアによる対策ができるのは、基本的に「全て」です。なぜなら、どのシミタイプにおいても、肌が乾燥してバリア機能が低下すると、紫外線などの影響を受けやすくなるためです。

シミ・そばかす対策をするには、肌本来のバリア機能が正常に働き、肌の生まれ変わりサイクル「ターンオーバー」が整った、健やかな肌を育むことから始まっていると言えます。

ただし、肝斑は女性ホルモンの影響が大きいため、あくまで「今よりも濃くなるのを防ぐ」レベルでの対策として、スキンケアに気を配りましょう。

① クレンジング・洗顔で乾燥させずに古い角質はすっきりと

クレンジング・洗顔時に、肌をゴシゴシとこすったり、汚れを落とそうと洗浄力の強いアイテムを使って肌の乾燥を招いたりしていませんか。

シミ・そばかすの元になるメラニン色素は、肌への刺激によって発生しやすくなります。また、洗浄力があまりに強いと肌に必要な皮脂・水分まで取り去ってしまうため、肌表面のバリア機能が衰えて肌内部の水分が蒸発し、肌が乾燥してしまいます。

肌の乾燥はターンオーバーの乱れを招き、また紫外線や花粉・ホコリなどの外部刺激が侵入しやすくなるため、結果的に「シミができやすく、薄くなりにくい」負のスパイラルに！

そのため、スキンケアはクレンジング・洗顔から始まっていると捉えて、汚れや余分な古い角質はしっかりと落としつつ、肌の潤いはキープして健康な肌を育てるように注意しましょう。

たとえば洗顔では、洗顔料でたっぷりの泡を作り、手の平でこするのではなく、泡のクッションに汚れを吸着させるようにしてください。クレンジングの時は、少量ではなく適量を使用して、肌に摩擦をかけずにメイク汚れを浮かすようにクルクルと軽くマッサージするのがおすすめです。

なお、クレンジング・洗顔時は、使用するお湯の温度にもご注意を。
冷たい水では毛穴が開かないため毛穴奥の汚れが取れず、熱すぎるお湯では肌に必要な皮脂まで過剰に溶け出してしまいます。32～34度程度のぬるま湯を使用し、髪の生え際やフェイスラインまですすぎ残しがないように気をつけましょう。

② スキンケアアイテムは順番通りに全て使用する

日中のテカリが気になる方の中には、化粧水だけでスキンケアを終わらせてしまうことも。

ですが、スキンケアアイテムにはそれぞれ配合されている成分や役目が異なるため、基本的に「化粧水、美容液、乳液またはクリーム」の順番に全アイテムをきちんと塗布するようにしましょう。

肌の水分・油分バランスを整えることがバリア機能とターンオーバーを整えることに繋がり、ひいては紫外線などの外部刺激によるシミの発生リスクの予防に繋がります。

なお、これらのスキンケアアイテムを塗布する際は、強い力でパッティングをしたり、少量をこすりつけたりして肌に刺激を与えないように注意してください。