スローフードってどんな意味? 今こそ見直したい食材や料理にまつわる質と魅力のおはなし

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ここ数年、雑誌やインターネットなどでしばしば見られる言葉「スローフード」――みなさんはご存じでしょうか。

スローフードイメージ

「スローフード」と聞くと、「ゆっくりと食事をすること?」「スローフードってどんな食材?」など、たくさんの疑問の声が聞こえてきそうですね。

そこでここでは、身体のことを見つめ直すキッカケとなるべく、国内外で注目を浴びている「スローフード」についてご説明していきます。

◆スローフードって何?

「スローフード(slow food)」とは、「ファストフード(fast food)」に対極するものとして、1986年に北イタリアにあるブラという小さな村で生まれた言葉です。

そもそもファストフードとは「手早く(=fast) 調理され、注文してすぐ(=fast)に提供される食事」を意味します。

手軽に安価で食べられ、味もそれなりに美味しいとあり、このようなファストフードは世界的に広がりを見せていますが、食材の生産者や調理者の顔が見えることなく、どこで生産されたどのような食材や添加物が使用されているのかはっきりとは分からない、という問題点があります。

このような(特に若年層への)ファストフードの広がりに不安を感じたのが、先述した北イタリア・ブラに住むカルロ・ペトリーニ氏とその友人たち。当時ペトリーニ氏は、食文化雑誌の編集者でした。

彼らは「地域に根ざした食材を使用した、丁寧に作られた食事」を大切にしてもらいたいという思いから、ファストフードではなく「スロー(食材を含め、ゆっくりじっくりと作られた)フード」という言葉を作り、現スローフード協会の前身である「アルチ・ゴーラ」という会を発足しました。

つまりスローフードの「スロー」とは、「ゆっくりと食事する」という意味ではなく、「土地土地にあった生産方法で丁寧に生産された食材を食べることで、食生活とその土地の魅力(文化)を見直しましょう」ということです。

◆スローフード協会って?

スローフード協会の会長はカルロ・ペトリーニ氏が務めており、本部は北イタリアのブラにあります。

現在では世界45カ国に広がる支部にて、約8万人の会員を抱えているスローフード協会。日本では2000年頃から会員数が増え、2004年に正式に「スローフードジャパン」が設立されています。

※「スローフード=イタリア料理」ではありません。「その地域文化に根付いた食材、料理を食べる」という意味から、日本であれば当然昔ながらの和食の郷土料理もまた、スローフードのひとつなのです。

◆健康的にみんなでおいしく食事をする大切さ

スローフードを説明するなかで「丁寧に育てられた食材」と聞くと、「オーガニック(有機栽培)」と混同されることもありますが、必ずしも生産者がオーガニック認定を受けている必要はありません。

なぜなら中小規模の生産者には、実質的にはオーガニック生産をしていたとしも、経済的・手続き上の問題などでオーガニック認定を受けていないところが多くあるからです。

スローフード協会が大切にしているのは、以下の3点。

1.Buono(おいしい)・・・その土地、地域で守られている味
2.Pulito(きれい)・・・地球環境に良いこと
3.Giusto(正しい)・・・生産者に対する公正な評価

農作物

消費者にとっても、生産者にとっても適正な価格で環境に優しく、健康的にみんなでおいしく食事をする――この、当たり前のようで忘れられつつあった食と地域文化への関心を、スローフード協会は様々な活動を通してアピールしているのです。

◆スローフード協会の活動って?

スローフード協会は、食材などに関する多くの出版物を発行しています。

またたとえばイタリアでは「味の教育」として、夏の1週間を「味の週間」と名付け、25歳以下の若者(外国人も含む)に有名レストランの料理を格安で食べることができるようにしています。

これは普段はファストフードばかり食べている若者たちに、きちんと生産された食材を使った、丁寧に作られた料理の味と出会う機会を与えているのです。

さらに年に1度、「スローフード・アワード」という賞(「食のノーベル賞」とも!)を、食材や環境に関わる活動をしている世界各国の方々に授与しています。

※2002年、日本人初として、古代米の生産や葦堆肥による循環型農業等をされている武富勝彦さんが受賞されています。同時にアジア人初として「審査員特別賞」も受賞。

その他、世界各国の食材や文化情報を集めた食の祭典を開催するなど、その活動は世界レベルで多岐にわたっています。

◆スローフードは今日からでもスタートできる!

スローフードは、協会に入らなければ実践できないことではありません。個人個人が食生活に気を配り、どのようにして作られたものを口にしているのかを意識すれば、自ずとそれがスローフードの広がりの一部となっているのです。

スローフード食事風景

忙しい現代人がおろそかにしてきた食事について、今一度見直し、健やかな時間を長く楽しめるようにこころがけてみてはいかがでしょうか。

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